兄オーストリア。
山頂を越えると弟スロヴェニア。
今やナチュラルワインの新聖地に現れた天才兄弟!


【グラスから立ち上がる、
あの標高の高いシュタイヤーマルクを思い出させる山のミネラル感。
美しい果実の奥には、この産地を歩いた時の、清々しい植物のテンションが、見え隠れする。

「伸びっ!」口中に放り込んだ時の第一印象だ。
ナチュラルを徹底しても、ブレはかけらも無いクリーンの王者的風格。
「ホッとしたっ」かつてない旨味の絡み方に、喜びのため息が出た。】
(代表・山田のコメントから一部抜粋)

グロース家はシュタイヤーマルク州のラッチュ・アン・デア・ヴァインシュトラーセで1750年からワイン造りを行う歴史あるファミリー。

10年前から兄のヨハネスがオーストリアを、弟のミヒャエルがスロヴェニアのワイナリーを受け持っている。

兄のヨハネスはオーストリア随一と称される醸造学校クロスターノイブルグ校を卒業。
話す時に土を触り、ぶどうに触れ、農園の自然を慈しんでいるのが分かる。
生物多様性、サステイナビリティ、景観、伝統のことが話によく出てきて、流行りで自然なワインを造っているのではないと確信。

ラッチュ周辺は丘が入り組んだ多様な地形で、マール(泥灰土)を主体に石灰岩や砂岩、粘土土壌や酸化鉄、二酸化マンガンなど、多様性に富み、複雑。
堆積土壌で1500万年前の海底が隆起した土壌。
貝の化石がくっついた石灰岩が出る畑もある。

ヨハネスの祖父の代には、必要に応じて化学肥料を使ってきたが彼の代から自家性肥料に戻した。
(2年かけて熟成、牛の糞以外は全て自園のもの)。

その肥料でさえ、植樹後2年間続けてごくわずかに使用するのみで、それ以外は葉の色を見て必要に応じてスポット使用。
また、除草剤、殺虫剤、化学肥料に頼らず生物多様性を高めることで質の良いぶどうを育てることを目指す。
ワイン造りのほとんど全ては畑。そんな畑仕事もほぼ手作業。
というのも、テラス状や急斜面の畑のため機械化が難しく、20人の従業員のうち17人は畑での作業に従事している。