ドメーヌ・ミッシェル・ドゥロルムは、ヴェルジソン村に本拠を置く(マコンから10キロ、リヨンから65キロ)。小さな村だが、伝統的なワイン生産者が多く集っている。畑は4.2haがプイィ・フュッセ、0.3haがサン・ヴェラン。すべて手摘み。100%シャルドネ。東のソーヌ河と西のグローヌ川、それに南をボジョレーの丘陵に囲まれる。もっとも標高のある所で500メートル。 この地でも修道士によりワイン造りがはじめられた。そしてこのドメーヌは17世紀より、同じ一族により所有されている。 プイィ・フュッセのアペラシオン制定は1939年だが、それ以前、何世紀にもわたってワインを造ってきた。父・ミッシェルは1985年に後を継いだ。そして2008年から現在の当主、クリスチャンに引き継がれる。何代目になるかは、よくわからないという。

ドメーヌのプイィ・フュッセの畑は、250メートルあたりから350メートルの斜面、ヴェルジソンの岩山をぐるりと囲むように位置。主に南および南東向きの斜面にある。自然酵母での発酵開始。そして10ヶ月以上ゆっくりと熟成させる。この期間は区画ごとにオーク樽にて、通常はオリをゆっくりと攪拌させる。厳格な温度管理のもと、発酵および熟成をスムースに行う。

10ヶ月のち、7月から8月にかけて、オーク樽からキュヴェごとにステンレスのタンクに移す。4ヶ月後、翌年の一月頃のボトル詰めまで、今しばらくワインを落ち着かせる。

プイィ・フュッセの畑は標高が高く、また様々な向きの斜面に細かく分割されている。その地形ゆえかぶどうの熟成具合に、区画ごとにかなり差がでるという。土壌は遠い昔は海であり、海の成分が化石化し、これも多様に富んでいる。現在この地では、格付けやプルミエ・クリュといった、テロワールの差別化をはかる手段はないが、各生産者の創意により、多様で素晴らしい品質のワインが造られている。