ブルーノ・デュシェンらと共に9cave(ヌフカーウ゛)のメンバーでムードメーカーのManuel de Vecchi Staraz(マニュエル・ディ・ヴェキ・スタラズ)は1974年生まれのイタリア人。奥様はデンマーク生まれの画家で、2人はイタリアで知り合いました。彼女がフィレンツェの美術大学で学んでいた時でした。理想的な地を求め、イタリアで探し周りましたがなかなか見つからず、最終的に辿り着いたのがフランス最南端の町バニュルスでした。
そこでワイン畑3haを見つけ栽培を開始したのが2006年のこと。前の所有者がビオ実践者でなかったため納得できるブドウができず2年間はカーヴ
コーペラティブへブドウを売っていました。納得のいくブドウに恵まれと自分でバニュルスを造るようになったのが2008年。当初はブルーノとは面識があり
ませんでしたが畑がブルーノの畑の東側で背中合わせのとても近い場所にあり、二人が仲良くなるのに時間はかかりませんでした。2ha(ビオディナミ)
のグルナッシュノワールから、たった1,000本のとびっきり美味なバニュルスが誕生します。
2014年にはバニュルスから1時間ほどのモーリー近郊のラテュール=ド=フランス村に15年間ビオロジックを実践してきた40haの畑を借り受けました。こ
こではビオロジックを実践し、スティルやイタリアでランブルスコを造る友人へ敬意を込めたペティアンなどを造っていて、この畑から誕生するワインすべてにJudas(ジュダ)を冠しています。
もともとマニュエルはモンペリエでワイン醸造を学び、様々なドメーヌで働いてきました。実は栽培家というよりビオディナミのコンサルタントとしてフランスで知られていたのでした。醸造面においてもクラフトマン精神旺盛で、ブドウに音楽を2 ~ 3時間聴かせながら開放桶で醸し、手でかき混ぜ、樽に移
す際もバケツで一杯一杯運び移すほか、除梗する際やプレスも全て手で行うという徹底ぶり。バニュルスの瓶は知人の職人さんに頼んで作ってもらっていて、1本ずつ微妙に違っています。生産量が少ないからこその成せる技、手作り感を大切し、1本ずつ想いを込めて造ったワインたちです。